ほくろとは
ほくろは、メラニン色素を産生する細胞が変化した母斑細胞が増殖した良性の皮膚腫瘍の一種です。正式には母斑細胞母斑ないし色素性母斑といいます。メラニンを有するため褐色や黒色を呈し、皮膚からどの程度の深さに腫瘍があるかによって、その色合いは異なってきます。また、後天的にできるものと生まれつきのものがあり、皮膚から隆起しているもの、平坦なもの、いぼのようなものなど形状にも様々な種類があります。
気をつけるべきほくろの色や見た目は?
ほくろは、一般的には良性のものです。どうしても除去してしまわなければならないケースというのは、生活上機能的に支障があったり、悪性腫瘍である可能性が否定できないなど、限られたケースです。逆に言えば、そういったケースに当てはまる場合は、健康保険適用で治療が可能になります。
以下の特徴があるほくろは、少し気にして受診していただくことをお勧めします。
色 | 茶色〜黒褐色でシミが盛り上がったようないぼで、加齢によって増加しますが、20才代でもみられます。 |
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大きさ | 直径が6mm以上ある。突然できた。急に大きくなる。 |
形 | 左右非対称である。まわりがギザギザしている。 |
ほくろでお困りの方へ
当院ではダーマスコープという医療用の拡大鏡で腫瘍を観察し、診断しています。 切除して病理検査を行った方がよいほくろについては、保険手術をご案内いたします。美容的な観点から除去をご希望の場合は、自費診療になりますが、一度に多数除去することも可能になります。
ほくろ除去について
顔にあるほくろが気になる、とってしまいたい、と思う方はたくさんいらっしゃいます。
ほくろの除去は、整容審美的な希望から除去する場合、健康保険の適用が認められていません。健康保険適用で除去できるのは、たとえば悪性腫瘍が疑われる、目のすぐそばに大きくとびだしたほくろがあって視界が妨げられる、衣服の脱ぎ着でひっかかってしまうなど、身体に支障がおこっているケースのみです。あらかじめご了承ください。
また、ほくろを除去した後の傷痕について心配される患者様も多くいらっしゃいます。ほくろの除去は、その種類や大きさ、部位などによって、以下に説明するように外科手術によるものと、炭酸ガスレーザーによるもの、2つの方法を主に用います。
どちらの方法でも、できる限り術後の傷跡が綺麗に仕上がるよう、細心の注意をもって施術いたします。ただ、傷跡は正常の皮膚とは性質が異なります。通常、手術痕は時間の経過と共に目立たなくなっていきますが、消えることはない事をご理解ください。気になることや疑問などございましたら、お気軽にご相談ください。
外科手術
局所麻酔を行い、ほくろの部分をできる限り小さく切開し、除去します。その後は細い糸で細かく縫合します。術後約1週間で抜糸になります。 外科手術をご案内するケースには、ほくろが大きい場合、盛り上がっている場合、悪性腫瘍の可能性が否定できない場合があります。
炭酸ガス(CO2)レーザー
炭酸ガスレーザーは、体内の水分に反応して組織を蒸散させ、ホクロを除去します。ほくろだけではなく、いぼや稗粒腫などの除去にもよく使用されます。低侵襲で、周囲の組織にダメージを与えません。外科手術に比べると再発率はやや高くなります。
施術前
施術直後
被覆剤で保護
保険ほくろ手術の流れ
1診察・診断
問診、視診、ダーモスコピーで患部を確認します。患者様に説明し同意をいただいた上で手術となります。
2局所麻酔・手術
手術当日は、まず局所麻酔を行い、麻酔の効果を確認した上で、なるべく小さな切開から 摘出を行います。摘出後は必要に応じて縫合します。
3抜糸・術後観察
翌日に、確認のためにご来院いただくことがあります。手術当日は、入浴を控え、出血などが起こる可能性がありますので、飲酒や運動も禁止となります。翌日からはシャワーは可能です。 術前術後の状態によって、通院回数はことなります。縫合した場合は、術後約1〜2週間で抜糸を行います。
4病理結果のご説明
手術で摘出した腫瘍は、病理検査を行い最終診断を確認します。 術後約1ヶ月で再診いただき、病理結果のご説明と術後の傷跡が問題なく経過しているかチェックを行います。
同意書のダウンロード
未成年者の治療につきましては、保護者の同意書が必要になります。下記よりダウンロードの上、お持ちください。